アマゾン現役社員の池乃堀正太郎、かく語りき

キャリア磨きに力を入れたい人へのアドバイスです。

仕事によってモチベーションって変わるよね。それってなぜだっけを考察してみた(後半)

f:id:ikenobori:20200926163716j:plain

前回の振り返り

前回見てきたように、仕事に対するモチベーションは「仕事内容(関心度)」と「仕事の役立ち度(功利性)」に大きく左右されると説明できそうです。例えば、仕事の経験が少ないキャリア初期は「功利性」よりも「関心度」に敏感である一方で、キャリア中期を迎えると、「関心度」よりも「功利性」という仕事に対する成果に重きを置いている、ことが分かります。このように、キャリアとモチベーションはお互い何らかの相互作用を受けながら常に変化していると言えそうです。次節では仕事に対するモチベーションへの更なる深堀、「仕事に対するモチベーションの源泉は何なのか」を明らかにしていきたいと思います。

前回の記事はこちら。 ikenobori.com

経験と問題意識

私のキャリアは決して会社など外から与えられたものばかりではありませんでした。その時々の仕事の状況や仕事に対するモチベーションに応じて自ら志願・選択した結果得られたものが多いように思います。よって、本節では「仕事に対するモチベーションの源泉」をバンデューラの自己効力感のフレームワークを利用して解明を試みてみようと思います。自己効力感は、「自分の能力に関するビリーブ」を起点にモチベーションの源泉を説明する「内的要因」の視点がベースとなっているためです。

自己効力感は、「制御経験:最も重要な要因で、自分自身が何かを達成したり、成功したりした経験」、「代理経験:自分以外の他人が何かを達成したり成功したりすることを観察すること」、「社会的説得:自分に能力があることを言語的に説明されること、言語的な励まし」、「心理的・感情的状態:自己や他者の成功経験を想像すること」から構成されています。 f:id:ikenobori:20200926163712j:plain

バンデューラのフレームワークを使った分析

バンデューラの自己効力感のフレームワークを使って、「仕事に対するモチベーションの源泉」のメカニズムを分析してみます。私のキャリア変遷をこのフレームワークに当てはめて整理をすると次の通りとなります。

キャリア初期:心理的・感情的状態「できそうなキブン!」の重要性

キャリアの磨き込みを図るには、仕事で培った経験や自身の能力を軸に、新しい分野の仕事に挑戦することが必要となります。しかし、社会人になって数年の間は経験や能力の蓄積が少なく、新しい分野の仕事に挑戦するモチベーションは低いと考えるのが自然だと思います。

私の場合、日系大手メーカーに入社後しばらく生産技術のメカ屋として仕事を続けていましたが、社内にて3次元データでモノづくりを変えるIT革新プロジェクトが発足されることを知り、プロジェクト参画する機会を得ることができました。

この参画の動機はまさに「勢い」。「3次元データを使ってビジュアルによりゲーム的感覚でモノづくりを変えることができるかも」という、まさに心理的・感情的心理を起点に新しい仕事に挑戦していることになると思われます。

結果的にはこれがきっかけでITを軸としたキャリアが形成、更なる発展を遂げることができた経験から、キャリア初期の段階では、心理的・感情的心理を上手く使えば、キャリア深堀を成功させる1つの要因となり得るのではないでしょうか。

キャリア初期から中期:代理体験「みんなもできてる!」の重要性

キャリアの初期段階から中盤に差し掛かると、一定の評価やそれによる対価(給料や名誉)を得ることができるようになってきます。すると、周辺からの期待もある中で、「なんとなくできるかも」の心理的・感情的心理だけでは新しい仕事に踏み出すことは難しくなります。

私の場合は、語学スキル不十分だった先輩や同期が数年後海外で活躍している姿を見て、「みんなもできている」の代理体験を高め海外トレーニーに志願、ITマネージャーとして海外に駐在するキャリアを経験することができた(同時に英語コンプレックスも払拭することにも成功)。

このことから、新しい仕事への更なる踏込み図るには、少し背伸びをすれば到達可能と思われるロールモデルを設定した上で、自分が活躍している姿を具体的にイメージすることで「みんなもできている!」という代理体験を高めることが有効に機能すると考えます。

一定キャリアの仕上げ期:制御体験「できたことがある!」の重要性

その線で一流と言われるようなスキル・経験を蓄積するには、途方もない時間(10,000時間との一説も?)を積み重ねる必要があります。よって、一定のキャリアを仕上げていくためには、内外から湧き出るあらゆる誘惑に打ち勝ち、止まらず走り続ける自己意識のモチベーションが重要であると思われます。

私の場合は、これまでのプロジェクト経験を踏まえて、どんな困難な複雑な仕事も必ずうまくやれるという制御体験を上手く活用することで自己効力感を高めモチベーションを維持することができました。その結果、自身の人脈・スキル・経験をフル活用できるシステム統合のプロジェクトを起案、そのプロジェクト責任者を任されることになり海外再赴任の機会を得ることができました。

このことから、モチベーションを持続させるためには、外乱を突破する強い自己意識が重要であることはもちろん、その自己意識を持ち続けることでキャリアの仕上げ達成を実現できる大きな仕事ややりがいのある仕事を獲得でき、それにより大きな成果をあげることができると自分を信じることが重要であると思います。

新たなキャリアの挑戦:社会的説得「君ならできる!」の重要性

一定の期間を経て蓄積したキャリアは違う業界に転用することで更なる付加価値アップを図ることが可能だと思います。

私の場合は約14年勤務した日系大手メーカーを退職し専門商社への転職を決意しました。振り返ると愛着のある会社から離れるのは難しい決断であったように思います。それでも何が転職を後押ししたのかを考えてみると、きっかけは、すでに転職を決意し活躍している諸先輩からの「君なら活躍できるよ」の声だったと思います。

キャリアの深堀が進めば進むほど物事の視野は拡大しない(むしろ膠着する)ことが多いのではないでしょうか。よって、転職や起業など新しいことに挑戦したいがその判断に迷っている時は、外的要因により視野の拡大を通じてパラダイムシフトを起こすことが重要(決断の後押しをしてくれる)であると思います。 f:id:ikenobori:20200926163719j:plain

考察

以上、本稿を通じて、仕事に対するモチベーションがどう変化するのか、またそのモチベーションの源泉はどこから生まれるかを、自らのキャリア変遷を通じて整理を行ってきました。

整理をする中で、キャリア深堀を進めるには、「なんとなくできる」から「みんなもできる」、そして「私ならできる」と、自己肯定(私が考えることは全て正しい)や自己可能性(私が行うことは全て成功する)を強く持つことが重要であること、また自身の考えや感情を上手くコントロールすることで新たな挑戦を獲得するエネルギーを生み出し、結果的に成功を生み出す可能性が高まることを再認識することができました。

また、キャリア深堀が一巡すると自己コントロールだけでは新しい事への挑戦意欲が硬直化する一方で、「きみならできる」という外的要因がきっかけでパラダイムシフトを引き起こし新たな仕事を獲得できる可能性があることも再認識することができました。

これまで、モチベーションは自己責任で管理すべきという考え方が前提にあり、モチベーション理論を学ぶことに意義を感じることは無かったように思います。しかし読書を通じてモチベーション理論は様々存在することを知り、これらを十分に理解し有効に活用することで、自身のキャリア開発や組織マネジメント(特に部下・後進のやる気に火をともすためのコツ)に活用できることを学びました。

今後は加えてリーダーシップの学習を進めることで、その気にさせる(結果的にモチベーションを高める)ための方法論や手法に対する考察を深め、組織・人材マネジメント力の更なる磨き込みを図っていきたいと思います。

参考文献

MBA「つまるところ人と組織だ」と思うあなたへ | 正和, 杉浦, 益美, 谷 |本 | 通販 | Amazon

働くひとのためのキャリア・デザイン (PHP新書) | 金井壽宏 | 社会学 | Kindleストア | Amazon

Amazon.co.jp: モチベーション3.0 持続する「やる気!」をいかに引き出すか: ダニエル・ピンク, 大前 研一: 本

おまけ

キャリアの磨き込みには、社会的説得「君ならできる!」が重要であることを上で触れました。そういった「後押し」を使ってジャンプアップしたいと思っている人向けにこのようなサービスを立ち上げてみました。ぜひ参考にしてみて下さい。 f:id:ikenobori:20200926164659j:plain 現役GAFA社員があなたの職務履歴書を添削します 【5名限定】何度でも添削依頼・質問OKです | エントリーシートの添削・書き方 | ココナラ