アマゾン現役社員の池乃堀正太郎、かく語りき

キャリア磨きに力を入れたい人へのアドバイスです。

仕事によってモチベーションって変わるよね。それってなぜだっけを考察してみた(前半)

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ここでは、仕事に対するモチベーションが時間経過や環境変化によりどう変化するのか(すべきなのか)、またそのモチベーションの源泉はどこから生まれるのか(生み出さないといけないのか)を、自らのキャリア変遷を通じて考察してみたいと思います。

考察に当たり、最初に自らの15年に渡るキャリア変遷を説明します。併せてそのキャリアに応じて仕事に対するモチベーションがどう変化していったか、市川伸一の学習動機*1を参考にしたモチベーションマトリックスを使ってそれを整理してみたいと思います。

次に、この自らのキャリア変遷を通じて醸成された「モチベーションの源泉」という問題意識に触れてみようと思います。更に、この「モチベーションの源泉」について、当時の仕事に対する気持ちやモチベーションをバンデューラの自己効力感*2のフレームワークを使って説明します。

背景

私は、1999年から現在にかけて、社内でのキャリア転身(生産技術メカ屋から社内システムエンジニアへ)、二度の海外駐在経験、30歳代後半での転職経験(15年近く勤務した日系大手メーカーから専門商社へ)と多種多様なキャリアを経験することに恵まれました。

振り返ると、仕事に対するモチベーションは常に変化していたことを思い出します。そのことを示すため、市川伸一の学習動機を参考にしたモチベーションマトリックス*3というツールを使って整理を試みてみようと思います。

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# 時期 キャリア内容
1999年 日系大手メーカーに入社
1999-2002年 生産技術メカ技術者として大型テレビなどの生産設備設計を担当
2002-2003年 3次元データでモノづくりを変えるIT革新プロジェクトに参画
2003-2008年 社内システムエンジニアに転身、国内システム統合プロジェクト担当
2008-2011年 海外トレーニーに志願、ITマネージャーとしてシンガポールに駐在
2011-2012年 帰任後、海外システム統合のプロジェクトリーダーを担当
2012-2014年 上記システム運用集約企画を起案、責任者としてシンガポール再赴任
2014-2016年 日系大手メーカーを退職、更なるキャリアアップを目指し専門商社に転職

仕事に対するモチベーションの変化

1999年:大学卒業してから日系大手メーカーに入社した時の仕事に対する気持ち。

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大卒は社会人になるのが当然。機械科出身なのでメーカーへの就職が有利だよね。

なので、仕事に対するモチベーションとしてはそれほど大きくなく「みんな社会人になるもの」程度の意識しかありませんでした。これをモチベーションマトリクスでは「関係志向」の位置にプロットできそうです。恐らくほとんどの新卒社員はここからスタートするのではないでしょうか。 f:id:ikenobori:20200926010356j:plain

1999-2002年:この時はメカ技術者として仕事をバリバリやっている時でした。

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プロジェクトの目標を達成したい。上司・先輩社員に認められたい

仕事に対する貢献もできるようになり、仕事に対する関心度も少しずつ変化しました。この時ぐらいから仕事に対するポジティブなモチベーションが浮上してきたような記憶があります。新卒気分の「みんながいるから」から、同期たちに「負けたくない」へ意識が変化したのではないかと思っています。というわけでマトリクス上は「自尊志向」の位置へ。 f:id:ikenobori:20200926010907j:plain

2002-2003年:社内で大きなプロジェクトに参画することに成功。仕事もある程度成果が出てきたので、少し欲も出てきたように思います。

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3次元データを使ったモノづくりに興味。同期や先輩社員とのスキル差別化を図りたい。

モチベーションの種類としては焦りとか危機感から来ているものに近いのかもしれません。成り行きでは「負けてしまう」という気持ちになり「何かを学びたい」という気持ちが急浮上してきました。仕事に対する貢献度をある程度無視してでも仕事の幅を広げたいと思うようになりました。マトリックスの位置は「充実志向」です。 f:id:ikenobori:20200926011556j:plain

2003-2008年:ついに社内で動き出します。プロジェクトの経験で違うキャリアへの道が開かれました。システムエンジニアへの転身です。

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「ITを知っているメカ屋」ではなく、「メカ業務を知っているIT屋」の方がキャリアにプラスになるはず!!

上司や同期から止めておいた方がいいと何度もアドバイス受けた中での思い切った転身でした。この時に自分に言い聞かせていた言葉はこれです。このキャリアをきっかけに知識や知見の幅がグンと増えました。メカ業務というコア業務があったおかげでITの知識の吸収も早かったように思います。そしてこの辺りから更に視野が広がりマネジメントにも興味を持つことにつながりました。振り返ってみると、業務へのお役立ち度は下げずに仕事の関心度を高めることができたのは社内でキャリアチェンジできたからかもしれません。転職となるとお役立ち度が一気に下がってしまいますので。改めて社内のキャリアチェンジの有用性を強く感じます。というわけでマトリックスは「訓練志向」に移動です。 f:id:ikenobori:20200926013236j:plain

2008-2011年:ついに海外へ。海外トレーニーとしてではありますが、社内のキャリアチェンジで海外赴任の切符を手に入れました。

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あの先輩社員のように、海外で活躍してみたい。

新卒の時に戻ったような気持ちになりました。今までの仕事の実績や人間関係を捨ててでも海外に機会を求めたい、打って出たい、そういう気持ちが全面に出たような気がします。なのでマトリックスは「充実志向」に戻ります。 f:id:ikenobori:20200926011556j:plain

2011-2012年:その2年後トレーニーの期間が終了し国内に帰国。海外のシステム統合のプロジェクトにアサインされました。

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海外帰任組として、国内組には当然、海外駐在社員にも負けたくない

海外を一度経験した事がある人はそう感じるかもしれません。自分は世界を知っている、という感覚です。そしてまた世界に打って出たいと思う気持ちが奥底で湧き上がっています。この時の仕事に対するモチベーションは仕事の内容はともかく、成果を出しまた海外の切符を手に入れたい、そういったものだったのかもしれません。ということで、マトリックスは「自尊志向」へ移動。 f:id:ikenobori:20200926010907j:plain

2012-2014年:海外向けのプロジェクトが成功。その成功が認められ海外に再赴任する機会を得ました。

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海外の仕事を通じて海外の人たちに何かお返しをしたい

海外を二度、別のプロジェクトで経験する人はそれほどいないのかもしれませんが、とにかく2回目の赴任では仕事に本当に専念した記憶しかありません。同じ国だったということもあり特に観光気分や、海外赴任生活の気分を楽しむってモチベーションはほとんどありませんでした。仕事にとにかく集中し、ここまで機会を与えてくれた会社や周りの皆さま、特に受入れてくれた海外の人たちに何かお返しをしたい一心で仕事に取り組んでいたように思います。マトリックスは「報酬志向」へ移動。 f:id:ikenobori:20200926124626j:plain

2014-2016年:そして次のキャリアを探し転職をすることに。

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今の会社ではいろんなことが経験できた。恩返しもできた。一方で慣れも出てきて怠けそう。そろそろ、次のキャリアに向けて新しいことをやらなければ。

1社目で過ごしたのは14年。国内のメカエンジニアから、国内・海外のシステムエンジニアへの社内異動、そして2回の海外赴任。思い返せばいろんな経験をさせてもらったこの会社には感謝しかありません。感謝に対する恩返しの仕方はいろんな形があると思います。当然会社に残り定年まで勤めあげることも1つの選択でしょう。ただ同じ会社にずっといるとしがらみや慣習により会社のためにしてあげられることが限られるのも事実です。

私は会社に残るよりも、違うの会社から別の形で、ビジネスを通じて、何か恩返しができるのではないかと考えるようになりました。モチベーションは自分の仕事そのものから、少し上位層に移ったのかもしれません。社会貢献とまではいきませんが会社やその業界のためにってモチベーションは、新卒時に抱いたものとは形が違うように思います。

とはいえ、転職先探しには苦労しました。海外赴任を2度も経験しているので自信はあったのですが結局声がかかったのは2-3社のみ。その中でこれまで培った経験やスキルを生かせそうな、でも新しい分野で活躍できそうな会社を選ぶことにしました。仕事に対するお役立ち度は下がるため、モチベーションマトリクスは「訓練志向」に移動。 f:id:ikenobori:20200926013236j:plain

前半まとめ

f:id:ikenobori:20200926130408j:plain 上記の動きからも分かるように、仕事に対するモチベーションは「仕事内容(関心度)」と「仕事の役立ち度(功利性)」に大きく左右されると説明できそうです。例えば、仕事の経験が少ないキャリア初期は「功利性」よりも「関心度」に敏感である一方で、キャリア中期を迎えると、「関心度」よりも「功利性」という仕事に対する成果に重きを置いている、ことが分かります。

このように、キャリアとモチベーションはお互い何らかの相互作用を受けながら常に変化していると言えそうです。

次節では仕事に対するモチベーションへの更なる深堀、「仕事に対するモチベーションの源泉は何なのか」を明らかにしていきたいと思います。

後半はこちらからどうぞ

ikenobori.com

参考文献

MBA「つまるところ人と組織だ」と思うあなたへ | 正和, 杉浦, 益美, 谷 |本 | 通販 | Amazon

働くひとのためのキャリア・デザイン (PHP新書) | 金井壽宏 | 社会学 | Kindleストア | Amazon

Amazon.co.jp: モチベーション3.0 持続する「やる気!」をいかに引き出すか: ダニエル・ピンク, 大前 研一: 本

おまけ

キャリアの磨き込みには、社会的説得「君ならできる!」が重要であることを上で触れました。そういった「後押し」を使ってジャンプアップしたいと思っている人向けにこのようなサービスを立ち上げてみました。ぜひ参考にしてみて下さい。 f:id:ikenobori:20200926164659j:plain 現役GAFA社員があなたの職務履歴書を添削します 【5名限定】何度でも添削依頼・質問OKです | エントリーシートの添削・書き方 | ココナラ

*1:市川伸一.(1995).学習動機の構造と学習観との関連,日本教育心理学会総会発表論文集,37,177.

*2:Bandura. A. (1977). Self-efficacy: Toward a unifying theory of behavioral change. Psychological Review, 84, 191-215

*3:市川伸一の学習動機を参考に独自に開発したマトリクスです。縦軸:仕事内容に関する関心度、横軸:仕事の役立ち度、に応じて6つのマトリクスから構成されています。マトリクスのどの位置にいることが重要とか重要じゃないとかではなく、それぞれのマトリクス上で仕事に対するモチベーションのニュアンスが少しずつ変化する、って理解してほしいと思います。f:id:ikenobori:20200924235506j:plain